今年度の活動に向けて
北海道情緒障害教育研究会
会 長 小 松 晋 也
(札幌市立手稲宮丘小学校長)
札幌は、よさこいソーラン祭りのイベントが終わり、いよいよ初夏のベストシーズンを迎えています。
道情研の会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平成28年度の北海道情緒障害教育研究会の活動が5月のセミナー及び総会からスタートしました。セミナーでは水谷 勉先生と佐久間 隆介先生を講師にお招きし、「愛着障害や被虐待児の脳科学と科学的根拠のある実践研究」をテーマにご講演いただきました。60名近い方にご参会いただき、平成28年度のスタートに相応しい研修をさせていただきました。その後の総会では、今年度の活動計画を了承していただくとともに、広報のあり方や情報の交流についても貴重なご意見をいただき有意義な話し合いができました。ご参会いただきました役員及び地区理事の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
さて、今年は特殊教育から特別支援教育に転換されてちょうど10年目を迎えました。この間、インクルーシブ教育が大きく取り上げられ、平成25年6月には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立し、今年4月から施行されました。この法律に伴った具体的な取り組みである合理的配慮についてもしっかり対応することが必要です。
このような現状を踏まえ、今年度は8月4日、5日に苫小牧市において第43回北海道情緒障害教育研究会苫小牧大会が開催されます。大会テーマは「インクルーシブな教育システムを見据えた支援の在り方について」~ライフステージに応じた支援の実際~とし、記念講演と5つの研修講座、6つの分科会、パネルディスカッションを設定し、参加者皆さんで研鑽を深める大会になります。
全国的な傾向でもありますが、私の勤務する札幌市でも、特別支援学級に在籍する自閉症・情緒障がいのある児童生徒数が増加するとともに、通常の学級においても在籍する障がいのある(疑いのある)児童生徒数が増えています。学びのサポーターを活用するなど組織として対応することは当然ですが、同時に私たち教師の専門性を高めることも真摯に取り組まなければならないことです。苫小牧大会はこの課題にもしっかりと向き合い、大変有意義な二日間になると確信しております。是非、たくさんの皆様にご参会いただき、日常の教育実践の悩みや疑問を交流し合い、学校に持ち帰って活用できる成果を一つでも多く獲得していただけたら幸いです。その学んだ成果が学級の子どもたちが生き生きと学ぶことにつながっていくことを願っております。
終わりになりますが、今年度も本会の目的であります情緒障害教育の充実を図るために、様々な関係機関とも連絡を取りながら研究活動を推進することに皆さんで取り組んでいきましょう。
どうぞよろしくお願いいたします。
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会報用挨拶
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